市民外交センターは、1982年3月に設立されました。設立当初は、国際社会に向けて「平和」という広い分野の中で最も声を挙げられない人たちの声を発信し、それを結びつけていこうという合意の下に活動を開始しました。
現在は人権問題、特に先住民族の権利問題に取り組んでいます。先住民族の権利は、人権、環境、教育、開発、平和など多くの分野にまたがり、私たちはこれらの問題に国際的に取り組 んでいます。長年の活動が評価され、1999年には国連・経済社会理事会の「特別協議資格」を取得しました。これによって国連会議での発 言や文書による意見表明ができるようになり、さらなる活動が期待されています。
先住民族の権利確立に向けた「人権」を中心とする活動には、1986年の中曽根康弘首相(当時)による「単一民族国家発言」とこれに対するアイヌ民族の抗議を受けて、国連先住民作業部会へのアイヌの代表の参加をサポートからです。その後、1990年代から琉球民族の代表の国連諸機関への参加もサポートし始めました。活動略歴については、こちらを参照ください。
現在の主な活動は以下の3点です。
①アイヌ民族と琉球民族(沖縄)への国際連合参加支援
アイヌ民族および琉球民族(沖縄)をはじめ、世界各地の先住民族のさまざまな国際連合諸機関参加を支援し、2007年9月に採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」に従った政策提言を行っています。また、先住民族に対する一定の政策を始めた日本政府に政策の改善を求めています。これは、先住民族の若者に対する人材育成プログラムとしての側面もあります。
②国内外の市民団体とのネットワーキング
先住民族問題を知ってもらうため、広く人権問題に取り組む市民団体との密接な協力のほか、開発援助や環境保護に取り組む団体と共同で、グローバルな問題に対する政策提言を行っています。さらに、平和で多文化・多民族共生の社会の実現に向けて、多くの市民団体と民主主義を求める共同行動にも参加しています。
③アジア・太平洋をはじめ、世界各地の先住民族と交流・支援
アジア各国の先住民族団体と交流し、人権侵害の状況を伝える活動などに協力しています。また、タイ王国では、カレン族のコミュニティ教育を実践する民族学校の支援も行っています。